ある日、一人で仕事を受ける様になった。
小さな葬儀で、人手も要らないので俺と献茶のおばちゃんの2人で十分だった。
そこは新館に移転してからはあまり使われていない会館で、設備も余りいい物ではなかった。
フロントホールには、創業時に買ったか寄贈されたかの古い振り子時計が据え付けてあった。


222 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA:2013/11/10(日) 08:51:39.87 ID:EZh6F/+Y0
式が混み合って会館の確保が出来なかったために急遽使用する事になった。
俺「何か薄暗いっすね」
オバ「ここ何年かは半分倉庫みたいな感じだしねー」
おばちゃん曰く、昔はこの会館を中心に忙しく走り回っていたらしい。
生花の札作りをせっせと済ませ、会館の掃除に行こうとフロントホールに出た。
(あれ?)
時間がズレてる。
直しとくに越したことないや。
カチカチカチカチ…
ゼンマイを巻き直してから掃除をして一服入れたのが夜の10時を廻ったあたりだっただろうか。
俺「今夜夜間搬送の当番なんで泊まります」
オバ「やめときな、悪い事言わないからさ」
(?)
オバ「出るんだよ。ここの会館。特に霊安室が」
俺「やめてくださいよーwww」
231 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA :2013/11/10(日) 13:58:49.67 ID:44A8s1Uu0
俺・オバ「!!??」
気配を感じて後ろを見る…。
何もいない。
俺「そんな事言うからびびっちゃいましたよwww」
オバ「そ、そうよねw」
ピンポーンパーンポーン♪
俺・オバ「!!」
いきなり館内放送の鐘が鳴った。
館内放送の機材は会場の左手、霊安室の手前にある。
オバ「俺君、電源…いれた?」
俺 「してないっすて!明日の朝に機材チェックするつもりでしたし!」
ざ…ザザ座字ジジジじ…。
今度はラジオが動き出した!
つうか棚の上にある機材が何で⁉︎
オバ「やばいよね…。」
俺「はい。どう考えても…」
232 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA :2013/11/10(日) 14:06:40.74 ID:44A8s1Uu0
本当に2人で抱き合う形でガタガタ震えていた。
何でこうなった…。
とりあえず館内放送はマズイ。
住宅地の中にある会館だからこんな夜中に放送が流れた何て知れたら…。
行くしかねー…。
フロントホールに出た。
時計は…。は?
遡ってる??止まるならまだしも…。
あの時合わせたのが20時手前、今は…。
18時?!
なんだこれ…。
俺「オバさん!時計もおかしい!」
2人で出たがオバちゃんは小さくなったままだった。
233 :ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA :2013/11/10(日) 14:23:30.86 ID:44A8s1Uu0
意を決して会場に入り、機材がある場所まで行こうと電気を付けた。
あれ!あれ?!
付かない!
何かそんな気してたけどマジか…。
オバ「俺君…?」
ここで電気が付かないのを言っても怖がらせるだけだ、黙って携帯のライトを付けた。
俺「主幹切ってました。携帯でいきますよ」
オバ「う、うん」
手探りで機材がある場所までたどり着いた。
電源入ってない…予想はしてたけど…。
仕方ない、戻ろう。
234 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA :2013/11/10(日) 14:51:16.45 ID:44A8s1Uu0
どうしよう、会館にいるのも嫌だけど鍵やセ○ムかけるのに隈なく会館歩かなきゃいけないし…。
オバちゃんだけでも帰そうか…。
そう思った矢先
ぼーん、ぼーん…ぼーん…
柱時計が鳴った。
すると、さっきまで流れていたラジオや館内放送の砂嵐がピタリと止んだ。
何だ?これ…。
でも帰るなら今の内かも知れない!
何かわかんないけどそんな気がする!
俺「オバちゃん!今の内かも知れない!早く施錠して帰ろう!」
オバ「そうしよう!」
怖さに負けそうになりながら必死に二人で手分けして施錠をする。
ホントこえーwwwヤベーwww辞めたいwwwこの会社www
最初で最後の辞めたい症候群だったw
236 : 名も無き被検体774号+[sage] 投稿日:2013/11/10(日) 14:56:13.69 ID:fnB/Padu0
こ、こわ((((;゚Д゚)))))))
237 : 名も無き被検体774号+[sage] 投稿日:2013/11/10(日) 15:00:41.55 ID:788Ct48t0
こえー
こえーよー
238 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA :2013/11/10(日) 15:00:53.38 ID:44A8s1Uu0
正直、その後の事は殆ど覚えていない…。
どうやってセ○ムを掛けたかすら覚えていない。
後日、オバちゃんに聞いても同じような返事しか返って来なかった…。
数ヶ月後、その旧館に再度寄った時に柱時計を見たが、巻きネジの穴が壊れていた。
先輩に聞いても、先輩の入社した時からカバーがかけられて中を見たのは今回が初めてだとの事だった。
あの時計は結局誰が付けたのか、誰も知らない。
取り壊されて無ければまだあの旧館でネジを巻かれるのを待っているのかも知れない。
追記
多少盛ったけど、柱時計はマジだ。
終
239 : 名も無き被検体774号+:2013/11/10(日) 15:00:57.89 ID:ozWfAieL0
怖いwww
240 : 名も無き被検体774号+:2013/11/10(日) 15:04:01.52 ID:/R6LU7ip0
やはりあるのだね、こういう事…。怖いよ怖いよー!!
葬儀場で働こうかと思ってたけど、やめといたほうがよさそうかな。
241 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA :2013/11/10(日) 15:12:06.23 ID:44A8s1Uu0
>>240
ウチは老舗の葬儀屋の部類にはいるからね~(´・ω・`)
先輩なんて朝一会館に行ったら安置されていた御遺体のドライアイスが外れてて姿勢も違ってたとか何とかwww
最近の会館は安置所や施設も綺麗から大手なら大丈夫だとおもうよ。
俺が特別出会いやすいんだわwww
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1383731440/
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